ALCって何?ALC外壁の特徴やメンテナンス方法を解説
ALCの外壁材に対して、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?一般的には高級なイメージがあるでしょう。
しかし、具体的には何がメリットでどのような修繕方法があるのかを知っている方は少ないかもしれません。
そこで、今回はALCの特徴やメリット・デメリット、劣化サイン、メンテナンス方法について詳しく紹介します。
既にALC外壁の住宅にお住まいの方は、ぜひ参考にしてください。
ALCとはどんなもの?ALC外壁の特徴は?
ALCとは圧力処理済み軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight Concrete)の略です。
その名の通り、気泡を含んでいて軽量なのが特徴です。主に鉄骨造の床や壁に用いられますが、特に外壁材で使われることが多いです。
メリットは以下の通りです。
- ・50年程度は張り替えの必要がない
- ・防火性が高い
- ・断熱性が高い
- ・遮音性が高い
- ・通常のコンクリートより地震の影響を受けにくい
主成分がセメントと生石灰なので、表面さえしっかり保護しておけば基本的には張り替えの必要はありません。そのため、初期費用はかかりますが長い目で見れば決して損ではない外壁材です。そして、気泡によって空気層ができるため、防火性・断熱性・遮音性が高いのも大きなメリットと言えるでしょう。さらに、軽量かつパネル状に分けられているため、通常の鉄筋コンクリート造と比べると地震による被害が軽減できます。
このようにメリットがたくさんあるALC外壁パネルですが、もちろんデメリットもあります。
- ・吸水性が高い
- ・凍害が起こる可能性がある
- ・衝撃に弱い
- ・継ぎ目が出てしまう
ALCの気泡はメリットにもなりますが、逆に水を吸い取りやすいというデメリットにもなります。そのため、ALC外壁パネルは塗料によって表面を保護しておかなくてはいけません。万が一水を吸い取ってしまうと、その水が凍って膨張しひび割れを引き起こしたり、躯体まで腐食したりしてしまいます。
また、衝撃に弱いため鋭利なものがぶつかったり内部の鉄筋が腐食して膨張したりすると、それらの力に追従できなくなり大きく割れてしまう恐れもあります。
そして、パネル自体の防水性だけではなく、パネル間の継ぎ目にも気を配らなくてはいけません。継ぎ目にはパネルの振動などを吸収するためのコーキングが施されていますが、それが劣化すれば、パネルそのものには問題がなくても雨漏りの原因になります。
ALC外壁は水に弱い!?
先ほどもお話しした通り、ALC外壁パネルそのものは非常に水に弱い建材です。そのALC外壁パネルが劣化すると、大掛かりな改修工事が必要となってしまいます。そのため、築年数が浅いうちからメンテナンス計画をしっかりと立てて、プロによる定期的な点検調査をすることがおすすめです。
特に、継ぎ目やサッシ廻りのコーキングは紫外線によってすぐに硬化します。外観は一見きれいに見えても、コーキング部分をよく見ると細かいひびや隙間が無数に発生していることも少なくありません。ALC外壁パネルを長持ちさせるためにも、常に防水性を維持することを意識しましょう。
ALC外壁の劣化サインは?
では、ALC外壁パネルは劣化するとどのような現象が起きるのでしょうか。ここでは、主な劣化のサインを紹介します。
塗膜の白化(チョーキング)・苔や藻の発生
最も早く出る劣化サインが塗膜の白化(チョーキング)です。これは塗膜が紫外線や風雨に晒され続けることで、塗料に含まれる顔料が粉末化する現象です。
日当たりの良い場所では塗り替えから早くて5年程度で見られる場合もあります。チェック方法は、乾いた手で壁を軽く触って手に粉が付くかどうかを確認することです。
チョーキングしていると、表面の撥水性・防水性は低下しています。また、藻や苔が発生している箇所も同様です。
パネルの継ぎ目やサッシ廻りのコーキング劣化
パネルとパネルの継ぎ目や、開口部廻りのコーキングも紫外線や風の影響を大きく受けます。コーキングは本来弾性があるため衝撃や振動を吸収したり、隙間を埋めたりする役目があります。しかし、劣化して硬化するとその機能を果たしません。それだけではなくヘアクラックと呼ばれる細かいひびが全体的に現れて、痩せて隙間も空いてきます。そうなると雨漏りを防げなくなるため、深刻な問題へと発展します。
ALCパネルの爆裂・ひび・欠損
ALCパネルは気泡が多く含まれているため、衝撃には強くありません。そのため、物がぶつかったり内部の鉄筋が水で膨張すればすぐに割れたりひびが入ったりしてしまいます。
特に、爆裂と呼ばれる現象は深刻で、パネルの一部が大きく崩れ落ち、その部分は補修しなくてはいけません。
ALC外壁のメンテナンスや修理方法
ALC外壁パネルが劣化したら、どのようなメンテナンスや修理をしなくてはいけないのでしょうか。ここでは、段階的な補修方法を紹介します。
再塗装
まだ雨漏りやパネル・コーキングの大きな劣化がない場合は、塗り替えのみでメンテナンスできます。目安はチョーキングし始めた頃です。
この段階で塗り替えをすれば、パネル・コーキングをしっかりと保護できて長持ちさせることが可能です。
材料費はかかりますが、高耐久性塗料であるフッ素系塗料や無機系塗料を使えば再塗装のサイクルを遅らせることができるためおすすめです。
継ぎ目コーキングの増し打ち・打ち替え
劣化がコーキング目地にまで及んでいる場合には再塗装の前に補修が必要で、長くても10年程度で増し打ちや打ち替えをしなくてはいけません。
それほど劣化していない場合は、既存目地の上からコーキングを充填する「増し打ち」という手法が用いられ、劣化が進んでいる場合は既存目地を撤去して新たにコーキングを打つ「打ち替え」を行います。
ALCパネルのモルタル補修
ALCパネルに爆裂・大きなひび・欠損がある場合には、浮き上がった周囲の部分を取り除いて樹脂モルタルなどで補修します。パネルの端部など欠けてしまった部分も同様です。
補修を施したのちに部分的もしくは全面的に塗装をすれば、見た目は元通りに蘇ります。
ALC外壁はDIYで修理できる?
ALC外壁パネルが部分的に欠けた場合など、DIYでの修理を試みる方も少なくありません。確かに、ホームセンターなどに行けば万能パテなどが売られているため、補修ができそうに感じるでしょう。しかし、その後変色し補修箇所が目立ってしまったり、パテが痩せてそこから水が浸入したりする恐れもあります。また、コーキングも一般の方で作業しやすいですが、間違った材料を使うと防水性は保たれませんし、高所の作業は危険です。そのため、ALCの修理はプロに任せることをおすすめします。
まとめ|ALC外壁は定期的に塗装することが肝心です
今回は、ALCの特徴やメリット・デメリット、劣化サイン、メンテナンス方法について解説しました。
ALCはメリットが多い高機能の外壁材ですが、塗装メンテナンスを怠れば雨漏りだけではなく構造躯体にまで影響を及ぼしてしまいます。
そのため、早めのメンテナンスをおすすめします。こまめに再塗装をすることで、長期的には修理費用を抑えられるためです。
少しでもALC外壁パネルの異変を見つけたら、気軽にプロへ相談しましょう。
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