セメント瓦はどうやってメンテナンスするの?特徴や劣化サインも解説
みなさんはセメント瓦という屋根材をご存知ですか?遠目で見ると日本瓦や洋瓦と同じように見えますが、特徴やメンテナンス方法は大きく異なります。
そこで今回は、セメント瓦のメリット・デメリットやメンテナンス周期、メンテナンス方法について詳しく解説します。
ご自宅がセメント瓦屋根の方は是非参考にしてください。
セメント瓦の特徴やメリット・デメリット
セメント瓦とは、今から40年ほど前に普及した屋根瓦の一種で、セメントと砂からできています。日本瓦と比べると量産しやすかったため、多くの新築住宅に採用されていました。メリットは以下の通りです。
- ・日本瓦と比べると軽量
- ・日本瓦と比べると安価
- ・耐火性が高い
しかし、現在は既に製造が終了しています。それにはいくつかの理由があります。デメリットは以下の通りです。
- ・表面を塗膜で保護しないと水を吸ってしまう
- ・割れやすく脆い
- ・アスベスト(石綿)を含んでいるものが多い
まず、主成分であるセメントは防水性がないため、表面を塗膜で保護しないと雨漏りが起きてしまいます。
また、少しの衝撃で割れやすいのもデメリットです。
さらに、耐久性を高めるために今では使用が禁止されているアスベストを含んでいるものが多く、処分に多額の費用がかかってしまいます。このような観点から、現在では新規にセメント瓦を施工することはありません。
セメント瓦の劣化サインは?
では、セメント瓦はどのような現象が起こるとメンテナンスをしなくてはいけないのでしょうか?ここでは主な劣化サインを紹介します。
塗膜の剥離
まず初めに見られる現象は、経年劣化による塗膜の剥離です。塗装してから10~15年程度で細かく剥がれ落ちてきます。
塗膜が剥離すると瓦が水を含んでしまい、下地にまで影響を及ぼし、最終的には雨漏りの原因となります。
苔・藻の発生
塗膜の表面が劣化して撥水性が落ちると、瓦に苔や藻が生えてきます。そうなると水分がその部分に留まりやすくなって瓦そのものを劣化させてしまいます。
屋根に苔や藻を見つけたら、早めのメンテナンスが必要でしょう。
瓦表面の風化
塗膜が剥がれてしまうと瓦の基材が露出し、段々と風化します。セメント瓦の主成分であるセメントは水で少しずつ流れ落ちてしまうため、砂が表面に残りザラザラになっていると風化している証拠です。
ここまでくると屋根材自体の耐久性も落ちている可能性があります。
棟瓦の漆喰剥がれ
屋根の平場部分の劣化と合わせて、棟瓦の劣化にも注意しましょう。特に、棟瓦を固定している漆喰が剥がれてしまうと、棟瓦ごと脱落する恐れがあります。
棟は屋根の最頂部であり最も雨風の影響を受けやすい箇所です。そのため、脱落すればすぐに雨が室内へと浸入してきます。
瓦本体の割れ
セメント瓦は少しの衝撃でも割れやすいため、台風後や落下物があった際には速やかに被害状況を確認しましょう。
割れを放置すると、近隣に迷惑をかける可能性もありますし、雨漏りの原因にもなります。
ただし、先ほどもお話しした通り製造は終了しているため、ストックを保管していない限りは部分的な取り替えはできません。
セメント瓦のメンテナンス周期や方法は?
では、ここではセメント瓦屋根のメンテナンス周期やその方法について解説します。
塗装
先ほどお話しした通り、セメント瓦は塗装することで防水性を保てます。そのため、塗膜が劣化する10年ほどで再塗装をしなくてはいけません。
ただし、葺いてから35年ほど経過していると瓦本体が劣化している可能性があります。その場合は、塗装をしても十分な耐久性は維持できません。
メンテナンスを検討する前に、塗装ができる状態であるかをきちんとプロに調査してもらいましょう。
他の屋根材への葺き替え
セメント瓦が新築住宅で最も使われていた頃から既に40年ほど経っているため、現存しているセメント瓦屋根のほとんどが寿命を迎えている可能性があります。そのため、専門家は再塗装ではなく他の屋根材への葺き替えを提案してくるでしょう。
表面がザラザラで砂が露出しているような場合や、お家の耐震性能を高めるために荷重を減らしたい場合は、軽量の屋根材に取り替えることをおすすめします。
セメント瓦の劣化を見つけた時の応急処置は?
セメント瓦の劣化を見つけた場合の応急処置方法について紹介します。まず、現状雨漏りをしていないようであれば特に対処する必要はありません。早めにプロへ相談をして、現況をしっかり調査してもらいましょう。
既に雨漏りが発生している場合は、室内の被害を最小限に食い止めるため、水が滴り落ちている場所にバケツを置き、屋根裏に上がれる場合はブルーシートを敷くなどの処置をとりましょう。
また、濡れる場所にコンセントがある際には、漏電を防ぐために機器のプラグを抜いておくことも忘れてはいけません。
どうしても屋根に登って直接劣化度合いを確認したくなるかもしれませんが、瓦の上は不安定なため、一般の方が登るのはとても危険です。劣化サインを見つけら、とにかく早めにプロに相談することを意識しましょう。
まとめ|セメント瓦の寿命は35年程度です
今回は、セメント瓦のメリット・デメリットやメンテナンス周期、メンテナンス方法について解説しました。
セメント瓦は過去に普及していたものの、様々な点から既に製造されていない屋根材です。そのため、既に寿命を迎えているお宅も少なくありません。
瓦は寿命が長くメンテナンスする必要が少ないというイメージがあるかもしれませんが、劣化を放置すれば雨漏りにつながってしまいます。セメント瓦の劣化現象を見つけたら、早めにプロへ相談してください。
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